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ゲット・バック・セッションの音源と映像

ゲット・バック・セッションの概要

映画 『レット・イット・ビー』 分析

アルバム 『レット・イット・ビー』 分析

『フライ・オン・ザ・ウォール』 分析

セッションについて書かれた文献


ゲット・バック・セッションはビートルズが1969年1月に行ったセッションで、
その時の記録はアルバムと映画の 『レット・イット・ビー』 として世に出ました。

当時、バラバラになりかけていたバンドの状態を危惧したポールは、
久しぶりに4人が揃った仕事をするため、
1966年8月を最後に行っていなかった「観客を前にしてのライブ」を企画します。
その模様はテレビで放送することとし、特別番組の素材とするために
リハーサルも映像に記録することにしました。

そして1969年の年明け、4人はトゥイッケナムにある映画撮影用のスタジオに
集まり、リハーサルを開始しますが、ポール以外の3人はこの企画に
消極的で、セッションが進むにつれ、4人の間に不協和音が奏でられ始めます。

1月2日から始まったトゥイッケナムでのセッションは、1月10日にそれまでの不満を
爆発させたジョージがスタジオを出ていったため、1月14日で中断となります。

その後の話し合いでライブ・ショーの企画は破棄され、純粋にニュー・アルバムの
レコーディングとして、場所もアップル社屋の地下に移し、
1月21日からセッションが再開されました。

ここで救世主としてビリー・プレストンが参加し、サウンドに厚みをもたらしただけでなく、
4人の間の精神的緊張も和らげることになりました。

そしてセッションの仕上げと、撮影した素材を映像作品にするためのハイライトとして、
1月30日にアップルの屋上で無許可の屋外ライブが行われ、ライブの曲目に
入らなかった曲の録音を翌日に行ってこのセッションは終わりを迎えました。

このセッションはマルチ・トラック・テープに正式なテイクとして録音されたもの以外は
詳細な記録が残されなかったため、不明な点が多く、
マーク・ルーイソンの 『ビートルズ・レコーディング・セッション』 などの書物でも
簡単に記されているだけでしたが、
その後、映画のために記録された音源や映像のかなりの部分が
非公式に出回るようになり、現在ではその全容が見えるようになっています。

ここでは日を追ってセッションの概要を紹介します。
現在出回っている音源はCDにして100枚近い分量におよび、
その解説だけで1冊の本が出ているほどで、マニアの方には物足りないと思いますが、
あくまで入門編と捉えていただければと思います。

また関連情報として、映画とアルバムがどの日の演奏を収録しているかについて
分析してあります。



ゲット・バック・セッションの概要


トゥイッケナム・スタジオ(1月2日〜14日)
 アップル・スタジオ(1月20日〜31日)
 アップル屋上ライブ(1月30日)
 その翌日の補足レコーディング(1月31日)
 セッションのあとで

 ゥイッケナム・スタジオ編(1月2日〜16日)
 1月2日(木) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール1〜10

トゥイッケナムの映画撮影用のスタジオに機材を持ち込んでセッション開始。
この日は「I've Got A Feeling」「Don't Let Me Down」「Two Of Us」を中心に演奏。

【この日の主な演奏曲】
I've Got A Feeling/Don't Let Me Down/Two Of Us/All Things Must Pass/On The Road To Marrakesh(Jealous Guyの原曲)

【この日の演奏・映像を収録した公式作品】
映画 『レット・イット・ビー』
 オープニングの機材セッティング場面
プロモーション・フィルム 『ジョンとヨーコのバラード』
 一部にゲットバック・セッションの映像を使用
映像版 『アンソロジー』 パート8
 機材セッティング場面(映画のものとは別テイク)
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 2ヶ所の会話(スタジオに来たリンゴと挨拶を交わす/監督とポールが海外でのライブについて話す)
 Sun King / Don't Let Me Down
 Child Of Nature
 Don't Let Me Down
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 On The Day Shift Now (会話) →『フライ・オン・ザ・ウォール』 にも収録
 
All Things Must Pass (Rehearsals)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月3日(金) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール11〜28、Bロール50〜58

この日は「All Things Must Pass」「Maxwell's Silver Hammer」を中心に演奏。
テレビ・ショーの是非についての議論も交わされる。

【この日の主な演奏曲】
All Things Must Pass/Maxwell's Silver Hammer/Two Of Us

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 オープニング・タイトル後のポールのピアノ曲
 Maxwell's Silver Hammer(前半部分はこの日の演奏で、後半部分は7日の演奏)
 マイクに感電するジョージ
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 議論の一部ほか、4ヶ所の会話
 One After 909
 Because I Know You Love Me So
 Don't Pass Me By / Taking To A Trip To Carolina
 Back In The U.S.S.R. / Every Little Thing
 All Things Must Pass
 ポールのピアノ曲
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月4日(土)5日(日)

お休み

 1月6日(月) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール29〜49、Bロール61〜70

テレビ・ショーについての議論が続く。
「Two Of Us」の演奏をめぐってポールとジョージが口論。

【この日の主な演奏曲】
Hear Me Load/Don't Let Me Down/Two Of Us/All Things Must Pass/She Came In Through The Bathroom Window/Carry That Weight

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』

 Don't Let Me Down
 ポール「単純な方で演ろう」(Don't Let Me Downのあとの会話)
 Oh! Darling(ポールがピアノでワン・フレーズ歌う)
 ポールの会話「初期に作った曲について」(One After 909の前)
 ポールとジョージの口論
プロモーション・フィルム 『ドント・レット・ミー・ダウン』
 演奏中の映像(音声は別の日に録られたレコード・バージョンを使用)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 Two Of Us(セッション中の音源が使用されている)
 ポールとジョージの口論
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 会話の一部(ジョンが歌で返事する)
 Don't Let Me Down
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Concentrate On The Sound (会話) →『フライ・オン・ザ・ウォール』 にも収録
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月7日(火) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール50〜69、Bロール71〜79

テレビ・ショーについての議論が続くが、結論出ず。ポールが他のメンバーのやる気のなさ(特にジョン)に不満をあらわにする。解散の話題さえ出るが、ジョンは全く口を開かない。
「Maxwell's Silver Hammer」「Across The Universe」を中心に演奏。

【この日の主な演奏曲】
Get Gack/I've Got A Feeling/Maxwell's Silver Hammer/Across The Universe/Dig A Pony/One After 909/Don't Let Me Down/She Came In Through The Bathroom Window

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』

 Maxwell's Silver Hammer(後半部分はこの日の演奏で、前半部分は3日の演奏)
 ポールが「Ahhhhh」と叫ぶ(Maxwell's…のあと)
 Across The Universe(この日の2つの演奏を編集して1曲にしてある)
 Dig A Pony とそのあとのジョンの会話「もっと速い曲をやろう」
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 3ヶ所の会話(雑談/メンバーを説得するポール/無許可のライブで逮捕されるアイデア)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Gimme Some Truth (Rehearsal)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月8日(水) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール70〜89、Bロール80〜89

観客と一緒に船に乗ってリハーサルをしながら外国へ行き、そこでライブをやったらどうかなど、突拍子もないアイデアが出たりするものの、意見がまとまらず何も決まらない。
「All Things Must Pass」「She Came In Through The Bathroom Window」「Maxwell's Silver Hammer」「I Me Mine」などを中心に演奏。

【この日の主な演奏曲】
I've Got A Feeling/All Things Must Pass/She Came In Through The Bathroom Window/Maxwell's Silver Hammer/I Me Mine/The Long And Winding Road/Let It Be

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』

 Two Of Us(始めに出てくるアップテンポのバージョン)
 I've Got A Feeling(ただしエンディング部分は9日の演奏)
 I've Got A Feeling(ブレイク部の練習のあと、ポールが「グッド・モーニング!」と叫ぶ部分の演奏)
 ジョンの発言「The Queen says…」(I've Got A Feelingのあと)
 ジョージがリンゴにI Me Mineを披露
 I Me Mine
 I Me Mineに合わせて踊るジョンとヨーコの映像(演奏と映像は別のもの)
アルバム 『レット・イット・ビー』
 ジョンの発言「The Queen says…」(For You Blueの前

映像版 『アンソロジー』 パート8
 I've Got A Feeling(映画 『レット・イット・ビー』 と同じ)
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 ジョンのピアノ曲
 会話の一部(海外でのライブについて4人で議論)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 I Me Mine (Rehearsal)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月9日(木) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール90〜106、Bロール90〜102

ジョンとジョージの間に微妙な緊張が走る場面が多くなる。
「Let It Be」「Get Back」を本格的に始める。

【この日の主な演奏曲】
For You Blue/Two Of Us/Suzy's Parlor/I've Got A Feeling/Get Back (No Pakistanis)/La Penina/Across The Universe/Commonwealth/Get Off!/For You Blue/Mama You've Been On My Mind/Let It Be/One After 909

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』

 I've Got A Feeling(エンディング部分)
 I've Got A Feeling(ブレイク部の練習部分)
 One After 909(この日の3つの演奏を編集して1曲にしてある)
 Two Of Us(ポールが「マイクに寄って
」と言ってすぐやめる方)
 Suzy's Parlor
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 会話の一部(ジョンの一言)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月10日(金) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール106〜124、Bロール103〜112

昼食時にジョージがジョンor ポール(または両方)と対立、ビートルズ脱退を宣言してスタジオを出て行ってしまう。
その後はヨーコを交えて即興演奏などしてみるが、演奏が続かず、それぞれ会話したり一人で楽器を弾いたりで1日が終る。

【この日の主な演奏曲】
Get Back/Two Of Us/A Quick One While He's A Way/即興演奏

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
ビデオ・LD 『ヨーコ・オノ・レノン/ゼン・アンド・ナウ』

 この日のものと思われるヨーコをまじえた即興演奏の一場面(というより一瞬)を収録(カラー)
 (ポールがベースをスピーカーにかざしてフィードバックさせている)
 ※この作品には他にもゲット・バック・セッションの映像が収録されているが、全てコマ切れ
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 Get Back(イントロ部分)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月11日(土)

お休み

この日のジョージの日記には「Got up – John and Yoko came and diverted me at Breakfast.」とある。

 1月12日(日)

リンゴの家に全員で集まりミーティング。ヨーコに好きなことをしゃべらせて自分は何も発言しないジョンにジョージが反発し、話し合いは決裂。

 1月13日(月) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール125〜136、Bロール113〜121

ジョージは来ないが一応セッションは続ける。ジョンも遅刻して午後からやって来る。ジョンが来るまでの間、ポール、リンダとアップルのスタッフはジョンとヨーコの行動がバンドにもたらしている問題について初めて率直に話し合う。
ジョンが来てから3人で「Get Back」を演奏するがすぐ止める。
ライブの予定日を1週間延期する。

【この日の主な演奏曲】
ポールのピアノ演奏(Martha My Dearなど)/Get Back/ほとんどが会話

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映像版 『アンソロジー』 パート8

 ポールがカメラ・ショットについて語っている映像
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 スタジオを出て行くポール
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月14日(火) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール137〜147、Bロール121〜125

ジョージは来ず。ジョンも遅刻。ジョンとヨーコ、カナダのテレビ局からインタビューを受ける。ポールは一人で様々な曲をピアノで弾く。俳優ピーター・セラーズがスタジオを訪れる。
3人で少し演奏してみるが全く気が入らず、トゥイッケナムでのセッションはここで中断することにする。

【この日の主な演奏曲】
ポールのピアノ演奏(The Back Sheet Of My Carなど)/Mean Mr. Mustard/Madman/Watching Rainbows/ほとんどが会話

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 ポール「デーン、デデデデデデデ…」(One After 909の演奏のあと)
 ポールとリンゴのピアノ連弾
映像版 『アンソロジー』 パート8
 ジョンが「Help」の歌詞を口ずさむ(The Ballad Of John And Yokoの前)
DVD 『ジョン・レノン イマジン』(映画)
 インタビューに答えるジョンとヨーコの映像を少し収録(Revolutionの部分)
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 会話の一部(ジョージ以外の3人で雑談)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月15日(水)

再度全員でミーティング。ライブ・ショーの案はとりあえず中止とし、セッションの目的を「ニュー・アルバムの制作」に変更、撮影中のフィルムはその模様を収めたドキュメンタリー映画にすることにした。 また、場所をアップル社屋の地下に移すことにする。

 1月16日(木) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール148

ポールが1人でスタジオに来て、ピアノだけで「Oh! Darling」を歌う。
その後、機材がスタジオから撤去される。

【この日の主な演奏曲】
Oh! Darling/Ob-La-Di, Ob-La-Da

【この日の演奏・映像を収録した公式作品】
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月17日(金)〜19日(日)

ビートルズはお休み。
スタッフがアップル・ビルに録音機材をセッティング。

1月17日にはイギリスでアルバム 『イエロー・サブマリン』 が発売された(アメリカでは1月13日発売)。

 アップル・スタジオ編(1月20日〜31日)
 1月20日(月) 映画用録音テープなし(演奏の撮影もなし)

まだ録音環境か完全には整っていなかったものの、アップルの地下スタジオに4人が集まり、リハーサルで演奏。

この日の演奏は映像・音源とも確認されていない。

【この日の演奏・映像を収録した公式作品】
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 アップル・ビルにやって来る4人
 アップル・ビルの外で撮られた一般人のインタビュー

 1月21日(火) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール400〜411、Bロール1000〜1008

セッション再開。ジョン、ローリング・ストーンズの 『ロックンロール・サーカス』 の短い追加撮影を行う。

※書籍 『レコーディング・セッションズ』 ではアップルでのセッションの開始は22日からになっている。

【この日の主な演奏曲】
Dig A Pony/I've Got A Feeling/Don't Let Me Down/She Came In Through The Bathroom Window

【この日の演奏・映像を収録した公式作品】
DVD・CD 『ローリング・ストーンズ/ロックンロール・サーカス』
 ジョンがローリング・ストーンズの演奏を紹介する部分
映画 『レット・イット・ビー』
 ジョンの発言「“I Dig A Pigmy” by…」(For You Blueのあと)
アルバム 『レット・イット・ビー』
 ジョンの発言「“I Dig A Pigmy” by…」(アルバムの冒頭)
アルバム 『アンソロジー3』
 She Came In Through The Bathroom Window(この日の演奏を編集したもの) ※CDの解説書では22日の録音
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 She Came In Through The Bathroom Window (Rehearsal) →『アンソロジー3』 に編集されて収録
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月22日(水) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール412〜429、Bロール1009〜1019

この日の途中からビリー・プレストンが参加。雰囲気がぐっと良くなる。
「I've Got A Feeling」「Dig A Pony」「Don't Let Me Down」を練り上げる。
メジャー・デビュー前のマネージャー、アラン・ウィリアムズがスタジオを訪れる。

【この日の主な演奏曲】
Don't Let Me Down/Dig A Pony/I've Got A Feeling

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
アルバム 『アンソロジー3』
 I've Got A Feeling ※CDの解説書では23日の録音
 Dig A Pony(頭と終りに「All I Want Is You」付き)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 ビリー・プレストン参加時の映像
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 スタジオにやって来たリンゴ
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 Morning Camera (会話) →『フライ・オン・ザ・ウォール』 にも収録
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 I'm Ready (aka Rocker) / Save The Last Dance For Me / Don't Let Me Down
 Don't Let Me Down
 Dig A Pony(頭と終りに「All I Want Is You」付き、『アンソロジー3』 とは別テイク)
 I've Got A Feeling(『アンソロジー3』 と同じテイク)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト


 1月23日(木) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール430〜437、Bロール1020〜1037

主に「Get Back」のリハーサル。この曲に関してはかなり進展。

【この日の主な演奏曲】
I've Got A Feeling/Get Back/Oh! Darling

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 アップル・ビルにやって来る4人(For You Blueがかかるシーン)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 スタジオでGet Backをリハーサルしている映像
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月24日(金) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール437〜453、Bロール1038〜1053

ビリー・プレストンを正式にビートルズのメンバーにしようと言うジョンと、それに反対するポールの間でちょっとした議論が起こる(ビリーがスタジオに来る前)。
「Two Of Us」はアコースティック・スタイルに変更される。
「Teddy Boy」「Dig It」にも取り組む。

【この日の主な演奏曲】
Get Back/Two Of Us/Teddy Boy/Maggie Mae(正規テイク)/Dig It

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 ジョン「That was “Can You Dig It” by…」(Dig Itのあと。ただし音声のみ)
アルバム 『レット・イット・ビー』
 Maggie Mae
 ジョン「That was “Can You Dig It” by…」(Dig Itのあと)
アルバム 『アンソロジー3』
 Two Of Us
 Teddy Boy(後半2分がこの日の演奏、前半1分15秒は28日の演奏)
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 Teddy Boy/Maggie Mae(アルバム 『レット・イット・ビー』 とは別テイク)/Fancy My Chances With You
 Dig It/ジョン「That was “Can You Dig It” by…」
 Get Back(スティール・ギターとポールの鼻歌)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 Two Of Us (Take 4)(『アンソロジー3』 とは別テイク)
 Maggie Mae(アルバム 『レット・イット・ビー』 とは別テイク) / Fancy My Chances With You →『フライ・オン・ザ・ウォール』 にも収録
 Can You Dig It? →『フライ・オン・ザ・ウォール』 に収録のものと同じテイクだが長い
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Polythene Pam (Rehearsal)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 Teddy Boy(この日の演奏のみ)
 Two Of Us(『アンソロジー3』、50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2とは別テイク)
 Maggie Mae(アルバム 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
 ジョン「That was “Can You Dig It” by…」(Dig Itのあと)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月25日(土) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール453〜476、Bロール1054〜1072

セッションの進捗状況が今ひとつの上、リンゴの映画 『マジック・クリスチャン』 のクランクインが2月3日に迫っていたため、土日も仕事。
アップルの屋上ライブのアイデアは、映画のクライマックスとして完成テイクを演奏しているシーンが必要となることと、 ライブにこだわるポールの意見の折衷案としてこの後数日間のうちに出てきたようだ。
「Two Of Us」「For You Blue」「Let It Be」が中心。

【この日の主な演奏曲】
Two Of Us/Dig A Pony/I've Got A Feeling/For You Blue(正規テイク含む)/Let It Be

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』

 For You Blue(この日の3つの演奏を組み合わせて1曲にしてある)
 ポールのマハリシの話(ジョンとジョージの映像は21日の関係ない時のものを差し込んである)
アルバム 『レット・イット・ビー』
 For You Blue(映画 『レット・イット・ビー』 と同じ日の演奏だが別テイク)
アルバム 『アンソロジー3』
 For You Blue(アルバム 『レット・イット・ビー』、映画 『レット・イット・ビー』 と同じ日だが、そのどちらとも違うテイク)
 Let It Be(演奏のみ。前後の会話は31日のもの)
アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』
 For You Blue(基本的にはアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 
For You Blue(映画 『レット・イット・ビー』 と同じだが、一部別カットの映像を使用している)
ビデオ・LD 『ヨーコ・オノ・レノン/ゼン・アンド・ナウ』
 
Let It Beのリハーサルの一部(白黒、ジョンが寝転がって弾いている)
 Two Of Usのリハーサル中、ヨーコが板に貼った紙に漢字を書いている映像を収録(白黒)
 ※この作品には他にもゲット・バック・セッションの映像が収録されているが、全てコマ切れ
『ネイキッド』 ボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』
 会話の一部(ポールを説得するジョンとジョージ)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 I Don't Know Why I'm Moaning (会話) →『フライ・オン・ザ・ウォール』 にも収録
 For You Blue (Take 4)(アルバム 『レット・イット・ビー』、『アンソロジー3』 とは別テイク)
 Let It Be / Please Please Me / Let It Be (Take 10)(『アンソロジー3』 とは別テイク)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 For You Blue(基本的にはアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月26日(日) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール477〜499、Bロール1073〜1087

「Let It Be」「The Long And Winding Road」が中心。
ポールが義理の娘へザーをスタジオに連れて来る。

【この日の主な演奏曲】
Isn't It A Pity/Octopus's Garden/Let It Be/Dig It(正規テイク含む)/Shake, Rattle And Roll/Miss Ann〜Kansas City〜Lawdy Miss Clawdy/You Really Got A Hold On Me/The Long And Winding Road(正規テイク含む)

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 Octopus's Garden
 ヘザーの訪問
 ジョンの即興「イザドラ・ダンカン…」
 You've Really Got A Hold On Me
 The Long And Winding Road(ボサノヴァ調の方)
 Shake, Rattle And Roll
 Kansas City〜Lawdy Miss Clawdy
 Dig It(演奏のみ、ジョンのコメントは24日のもの)
アルバム 『レット・イット・ビー』
 Dig It
 The Long And Winding Road
アルバム 『アンソロジー3』
 Rip It Up/Shake, Rattle And Roll/Blue Suede Shoes
 The Long And Winding Road(アルバム 『レット・イット・ビー』 のオーケストラ抜き)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Octopus's Garden (Rehearsal)(映画 『レット・イット・ビー』 とは別の部分)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 Dig It(演奏のみ、ジョンのコメントは24日のもの)
 The Long And Winding Road(アルバム 『レット・イット・ビー』 のオーケストラ抜き)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月27日(月) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール500〜523、Bロール1088〜1112

「Get Back」「I've Got A Feeling」が中心。

【この日の主な演奏曲】
Old Brown Shoe/Let It Be/The Long And Winding Road/Don't Let Me Down/Get Back(正規テイク含む)/Oh! Darling/I've Got A Feeling

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
アルバム 『レット・イット・ビー』
 Get Back(演奏前の会話・ジョンの替え歌を含む)※演奏の後の会話は30日のもの
シングル 『ゲット・バック』(→CD 『パスト・マスターズ』)
 Get Back(ブレイクする前までの部分がこの日の演奏でアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じ、ブレイク後は28日の演奏)
アルバム 『アンソロジー3』
 Oh! Darling
アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』
 Get Back(基本的にはアルバム 『レット・イット・ビー』 の演奏部分と同じ)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 I've Got A Feeling (Take 10)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Oh! Darling (Jam)(『アンソロジー3』 に収録のものと同じテイクだが長い)
 Get Back (Take 8)(アルバム 『レット・イット・ビー』 およびシングルとは別テイク)
 The Walk (Jam)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 Get Back(ブレイクする前までの部分がこの日の演奏でアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じ、ブレイク後は28日の演奏)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月28日(火) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール524〜547、Bロール1113〜1129

「I've Got A Feeling」「Dig A Pony」が中心。
ジョージの「Old Brown Shoe」「Something」を取り上げるがこのセッションでは完成せず。

【この日の主な演奏曲】
I've Got A Feeling/Dig A Pony/Get Back(正規テイク含む)/Don't Let Me Down(正規テイク含む)/One After 909/Old Brown Shoe/Something/ビリー・プレストン主体のブルーズ演奏

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 Get Back(映画のエンド・クレジットのBGM)
シングル 『ゲット・バック / ドント・レット・ミー・ダウン』(→CD 『パスト・マスターズ』)
 Get Back(ブレイク後のアドリブ・ボーカル部分がこの日の演奏、ブレイクする前までは27日の演奏)
 Don't Let Me Down →50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク5にリミックス版を収録
アルバム 『アンソロジー3』
 Teddy Boy(前半1分15秒がこの日の演奏、後半2分は24日の演奏)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 ポール、リンゴ、ジョージ・マーティンらがGet Backのプレイバックを聴いている映像
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 Dig A Pony (Take 14)
 Get Back (Take 19)(ブレイク後のアドリブ・ボーカル部分が様々な形で公式リリースされてきた)
 Like Making An Album? (会話)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Without A Song (Jam) – Billy Preston With John And Ringo
 Something (Rehearsal)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 Get Back(ブレイク後のアドリブ・ボーカル部分がこの日の演奏、ブレイクする前までは27日の演奏)
 Get Back (Reprise)(映画のエンド・クレジットのBGMと同じ)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月29日(水) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール548〜561、Bロール1130〜1145

ライブと本番のレコーディングを控え、このセッションで演奏した曲を総まとめ的に(非常に軽い感じで)一通り演奏。

【この日の主な演奏曲】
Dig A Pony/I've Got A Feeling/Don't Let Me Down/Get Back/One After 909/She Came In Through The Bathroom Window/Two Of Us/Let It Be/The Long And Winding Road/For You Blue/Something/All Things Must Pass/Let It Down/「I Want You」Jam/Dig It/Besame Mucho/Not Fade Away/Teddy Boy/Mailman, Bring Me No More Blues

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 Besame Mucho
 会話(ジョンを説得するポール)
アルバム 『アンソロジー3』
 Mailman, Bring Me No More Blues
映像版 『アンソロジー』 パート1
 Besame Mucho(一部)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 翌日のライブをやる/やらないという話をしている映像
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 One After 909 (Take 3)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
 この日の映像のダイジェスト

 1月30日(木) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール562〜563、Bロール1146〜1149、Cロール4001、Dロール5001

アップル屋上でのライブ。他の録音はなし。

【判明している範囲のこの日の演奏曲】
  [ Get Back を軽くジャムる ]
 Get Back(ウォーミング・アップとして通しで演奏) ※2022年の配信アルバムではこれが「#1」
  [ ここで I Want You のリフのようなギターの演奏が聴こえる ]
 Get Back #1 ※2022年の配信アルバムではこれが「#2」
 Don't Let Me Down #1(2番の歌詞を間違える)
 I've Got A Feeling #1(正規テイク)
  [ 演奏後にジョンが「Oh, My soul …」と口ずさむ ]
  [ One After 909 を軽くジャムる ]
 One After 909(正規テイク)
  [ 演奏後にジョンが Danny Boy を口ずさむ ]
  [ Dig A Pony をルーズにジャムる ]
 Dig A Pony(正規テイク。ただし頭と終りに「All I Want Is You」付き)
  [ イギリス国家 God Save The Queen を即興で演奏 ]
 I've Got A Feeling #2
  [ 演奏後にジョンが A Pretty Girl Is Like A Melody を口ずさむ ]
  [ Get Back を演奏しようとして止める ]
 Don't Let Me Down #2(1番の歌詞を間違える)
 Get Back #2 ※2022年の配信アルバムではこれが「#3」

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 Get Back #1
 Don't Let Me Down #1(2番の歌詞を間違える)
 I've Got A Feeling #1
 One After 909
 Dig A Pony(頭と終りに「All I Want Is You」付き)
 Get Back #2
 ライブ終了後のジョンの挨拶

アルバム 『レット・イット・ビー』
 I've Got A Feeling #1
 One After 909
 One After 909の演奏後に弾かれたギターの音(Get Backの前に挿入)
 Dig A Pony(「All I Want Is You」はカット)
 ライブ終了後のジョンの挨拶
プロモーション・フィルム 『ゲット・バック』 『ドント・レット・ミー・ダウン』(1969)
 アップル屋上ライブの映像(映画 『レット・イット・ビー』 とは違う/音声は別の日に録られたレコード・バージョンを使用)
アルバム 『アンソロジー3』
 Get Back #2
アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』
 Dig A Pony(基本的にアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じ)
 I've Got A Feeling(#1と#2を組み合わせて1曲にしてある)
 One After 909(基本的にアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じ)
 Don't Let Me Down(#1と#2を組み合わせて編集した「歌詞を間違えないバージョン」)
ビデオ・クリップ 『ドント・レット・ミー・ダウン』(2003)
 アップル屋上でのライブの映像を使って新たに作られたもの(映画 『レット・イット・ビー』 とは違う/音声は 『ネイキッド』 のものを使用)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 Don't Let Me Down #1(映画 『レット・イット・ビー』 と同じ)
 Get Back #1(音声は#1だが、映像は#1と#2の映像や警官の映像を混ぜて再構成)
映画 『Eight Days A Week : The Touring Years』 
 アップル屋上でのライブの映像から以下を部分収録
 Don't Let Me Down(2003年のビデオ・クリップ版に部分的に別の映像を挿入したもの)
 I've Got A Feeling(映画 『レット・イット・ビー』 とは別のカメラの映像も使用して再構成)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 Don't Let Me Down #1(2番の歌詞を間違える)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 One After 909
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』 『ザ・ビートルズ:Get Back-ルーフトップ・コンサート』 と 配信アルバム 『Get Back (Rooftop Performance)』
 屋上ライブの全曲(ただし正式に録音された演奏のみで、頭から終わりまで全てではない)

 1月31日(金) 映画用録音テープ・ナンバー:Aロール564〜566、Bロール1150〜1155

ライブ向きでない「Two Of Us」「The Long And Winding Road」「Let It Be」のレコーディング。

【この日の主な演奏曲】
Two Of Us(正規テイク含む)/The Long And Winding Road/Let It Be(正規テイク含む)/Oh! Darling

【この日の演奏・映像を収録した公式作品
映画 『レット・イット・ビー』
 Two Of Us(アルバム 『レット・イット・ビー』 と同じテイクだが、一旦ブレイクしてから始まるエンディング部分はこの日の別のテイクをつなげてある)
 Let It Be(アルバム 『レット・イット・ビー』 と同じ日の演奏だが別のテイクを編集したもの)
 The Long And Winding Road

アルバム 『レット・イット・ビー』
 Two Of Us(映画 『レット・イット・ビー』 と同じテイクだが、一旦ブレイクしてから始まるエンディング部分はそのまま)
 Let It Be(映画 『レット・イット・ビー』 と同じ日の演奏だが別のテイク)
シングル 『レット・イット・ビー』(→CD 『パスト・マスターズ』)
 Let It Be(アルバム 『レット・イット・ビー』 のテイクに、間奏のギターの差し替え等の編集を加えてあり、アルバム・バージョンより短い) →2015年リミックス盤 『1』 と50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク5にリミックス版を収録
プロモーション・フィルム 『レット・イット・ビー』
 この日のレコーディング映像を編集したもの(映画 『レット・イット・ビー』 とは違う/音声はシングル・バージョンを使用)
アルバム 『アンソロジー3』
 ジョンの会話(Let It Beの演奏の前後。演奏は25日のもの)
アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』
 The Long And Winding Road(基本的に映画 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
 Two Of Us(基本的にアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
 Let It Be(映画 『レット・イット・ビー』 のテイクをベースに、アルバム 『レット・イット・ビー』 のテイクの音も混ぜて編集)
映像版 『アンソロジー』 パート8
 The Long And Winding Road(映画 『レット・イット・ビー』 と同じ)
 Let It Be(映画 『レット・イット・ビー』 と同じ)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2
 The Long And Winding Road (Take 19)(映画 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3
 Let It Be (Take 28)(映画 『レット・イット・ビー』 と同じテイク)
50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)
 Let It Be(アルバム 『レット・イット・ビー』、シングルと同じテイクだが間奏のギターの差し替え以外のオーバーダビングがない)
映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』 『ザ・ビートルズ:
Get Back-ルーフトップ・コンサート』
 この日の映像のダイジェスト

 セッションのあとで

このセッションで記録された映像・音声はその後以下の形で編集・発表された

シングル 『ゲット・バック / ドント・レット・ミー・ダウン』 とプロモーション・フィルム
・グリン・ジョンズ、ジョージ・マーティンらがプロデュースし、1969年4月11日リリース。
・「Get Back」はアルバム 『レット・イット・ビー』 収録のものと同じテイクだが、後半にシングルのみの演奏を付け加えた別バージョン。
・「Get Back」はアップル屋上でのライブの映像、「Don't Let Me Down」は屋上ライブとスタジオでの演奏(たぶん1月6日)の映像を使用してプロモーション・フィルムが制作・発表された(詳しくは当HPの「ビデオ・クリップ」のページで)。
 ・「Get Back」は正式に発売された完成版の前のミックスが4月6日にイギリスのラジオで放送されている。

プロモーション・フィルム 『ジョンとヨーコのバラード』
・1969年5月30日にシングルでリリースされた曲で、曲自体はゲット・バック・セッションとは関係ないが、当時作られたプロモーション・フィルムにゲット・バック・セッションの映像(たぶん初日の1月2日)が使われている。

アルバム 『ゲット・バック』(1969年ミックス) ※未発表
・グリン・ジョンズのミックスで1969年5月28日に完成したが発表は見送られ、すぐにビートルズが 『アビイ・ロード』 の録音に入ったため、そのまま放っておかれた。
 A面:One After 909 / Jam / Save The Last Dance For Me / Don't Let Me Down / Dig A Pony / I've Got A Feeling / Get Back
 B面:For You Blue / Teddy Boy / Two Of Us / Maggie Mae / Dig It / Let It Be / The Long And Winding Road / Get Back(Reprise)

アルバム 『ゲット・バック』(改訂版1970年ミックス) ※未発表
・映画に「I Me Mine」「Across The Universe」の演奏シーンが使われることになり、それに合わせてアルバム 『ゲット・バック』 の内容を改訂することとし、グリン・ジョンズが
1970年1月に改訂版の編集作業を行ったが、やはり発表は見送られた。
・ジョンズはアルバム 『ゲット・バック』 の最初のバージョンから「Teddy Boy」を削除し、「I Me Mine」と1968年2月4日に録音された「Across The Universe」を追加、曲順を少し変更した。また、「For You Blue」はジョージのリード・ボーカルの一部を1月8日の追加録音のものに差し替えている。
・「I Me Mine」はゲット・バック・セッションでは正式に録音されなかったので、1970年1月3日にジョン以外の3人でレコーディングし、翌日には「Let It Be」の追加レコーディングが行われた。

・「Across The Universe」は現在アルバム 『レット・イット・ビー』 で聴けるものと同じテイクだが別バージョン(『ネイキッド』 収録のバージョンに近い)で、「Let It Be」は1970年1月4日の追加レコーディングの音を使用していない、もとのままのバージョン。
 A面:One After 909 / Jam / Save The Last Dance For Me / Don't Let Me Down / Dig A Pony / I've Got A Feeling / Get Back / Let It Be
 B面:For You Blue / Two Of Us / Maggie Mae / Dig It / The Long And Winding Road / I Me Mine / Across The Universe / Get Back(Reprise)

シングル 『レット・イット・ビー』 とプロモーション・フィルム
・ジョージ・マーティンのプロデュースで1970年3月6日リリース。
・1970年1月4日に追加レコーディングした音を使用したミックスで、アルバム 『レット・イット・ビー』 収録のものと同じテイクだが別バージョン。
・ゲット・バック・セッションのスタジオでの演奏(1969年1月31日)の映像を使用してプロモーション・フィルムが制作・発表された(詳しくは当HPの「ビデオ・クリップ」のページで)。

アルバム 『レット・イット・ビー』
・フィル・スペクターのプロデュースにより、1970年3月23日から4月2日まで編集作業が行われ、5月8日にリリースされた。
 
映画 『レット・イット・ビー』
・1970年5月20日イギリス公開。

映像作品 『ザ・ビートルズ・アンソロジー』
・1995年に短縮版でテレビ放送、のちに完全版でソフト化された。
・これまで見られなかったスタジオでの様子などが初登場。演奏の映像はほとんど映画からの抜粋だが、 これまでに見られたものより格段に映像がきれいになっており、音声も新たにステレオ・リミックスされている。

アルバム 『アンソロジー3』
・1996年リリース。ゲット・バック・セッションの演奏から未発表曲・未発表バージョン12曲を収録。

アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 と 『フライ・オン・ザ・ウォール』 とプロモーション・フィルム
・2003年リリース。
・「Get Back」「Don't Let Me Down」「Two Of Us」の新しいプロモーション・フィルムと、アルバム全体のプロモ映像(未発表のものを含むセッションの映像を編集したもの)が制作・発表された(詳しくは当HPの「ビデオ・クリップ」のページで)。

映画 『Eight Days A Week : The Touring Years』 
・2016年公開。
・アップル屋上でのライブの映像から「Don't Let Me Down」と「I've Got A Feeling」を部分収録。
・「Don't Let Me Down」は2003年制作のプロモーション・フィルム版に部分的に別の映像を挿入したもの。
・「I've Got A Feeling」はほぼ未発表の映像(映画 『レット・イット・ビー』 版とは別のカメラ)で構成。


アルバム 『レット・イット・ビー』 50周年版
・2021年リリース。
・アルバム 『レット・イット・ビー』 全曲のリミックス版とゲットバック・セッションの演奏、グリン・ジョンズのミックスによる未発表アルバム 『ゲットバック』 の全曲を収録。

配信映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』
・2021年11月
から配信。3部構成で約8時間。

配信アルバム 『Get Back (Rooftop Performance)』
・2022年リリース。
・屋上ライブの全曲(ただし正式に録音された演奏のみで、頭から終わりまで全てではない)

映画 『ザ・ビートルズ:Get Back-ルーフトップ・コンサート』
・2022年公開。
・配信版 『Get Back』 の1月30日の屋上ライブとエンド・クレジットで流れる31日のスタジオ録音の映像を短編映画として切り離したもの。65分。

この表(ゲット・バック・セッションの概要)の先頭へ

アルバム 『レット・イット・ビー』 分析へ

『フライ・オン・ザ・ウォール』 分析へ

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映画 『レット・イット・ビー』 分析

映画 『レット・イット・ビー』 で見られる映像がどの日に撮影されたものかを記述します。
この映画は相当の編集が施されており、素材の並べ方も時系列になっていないため、
ドキュメンタリーだからといってそのまま素直に受け取らない方が良いと思います。
別の日の映像に別の日の音声を当てている部分もあります。

 トゥイッケナム・スタジオ編(1月2日〜16日、約23分)
 1

タイトル・クレジット(冒頭のセッティングの様子)

・この映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも収録されているが、そちらとは別テイク(何度か撮り直したものと思われる)。

1月2日
 2

ポールのピアノ・イントロ

・この曲はポールのオリジナル曲で、アップルによって「Paul Piano Intro」というタイトルで著作権登録されている。
・海賊盤の曲目などでは「Adagio For Strings」という曲のカバーだとされていることも多いが、あまり似ておらず、これは間違いだろう(「Adagio For Strings」はSamuel Barber作のクラシック曲で、映画 『プラトーン』 などでも使われた悲壮感あふれる曲)。

1月3日
 3 Don't Let Me Down 1月6日
 4

ポール「単純な方で演ろう」

・3と同じ日の映像で、「Don't Let Me Down」のリハーサル中のものだが、3の演奏後に言ったものではない。
・バック・コーラスをいろいろと試す中での発言。

 5

Maxwell's Silver Hammer(前半部)

・3日と7日の演奏をつなげて1曲にしたもので、ポールがコードを教えながら演奏している部分が3日の演奏。

1月3日
 6

Maxwell's Silver Hammer(後半部)

・3日と7日の演奏をつなげて1曲にしたもので、マル・エヴァンスが叩くハンマーが登場する部分から終りまでが7日の演奏。

1月7日
 7

ポールが「Ahhhhh」と叫ぶ

・6と同じ日の映像だが、6の演奏後のものではない。

 8

マイクに感電するジョージ

1月3日
 9 Two Of Us(アップテンポ・バージョン) 1月8日
10

I've Got A Feeling(前半部)

・8日と9日の演奏をつなげて1曲にしたもので、歌詞のある部分が8日の演奏。

11

I've Got A Feeling(後半部)

・8日と9日の演奏をつなげて1曲にしたもので、エンディング部分が9日の演奏。
・10と11の映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも収録されている。

1月9日
12 I've Got A Feeling(ブレイク部の練習)
13

I've Got A Feeling(ポール「グッド・モーニング!」)

・演奏を再開する部分から終りまで、8日の演奏(10と同じ演奏の別の部分)に戻る。

1月8日
14

I've Got A Feeling(エンディング)

・エンディングはまた9日の演奏になる(11と同じ演奏の別カメラの映像)。

1月9日
15

ジョン「The Queen says “No” to pot-smoking FBI members.」

・「女王陛下は麻薬をやっているFBIのメンバーに 『No』 と言ってる。」
・この発言はアルバム 『レット・イット・ビー』 にも収録されている(For You Blueの前)。
・これは「Queen says she knows pot-smoking FBI members.(女王陛下は麻薬をやっているFBIのメンバーを知っていると言ってる)」のようにも聴こえる。
・13と同じ日の発言だが、13の演奏後に言ったものではない。

16

Oh! Darling

・ポールがピアノを弾きながらワンフレーズ歌うだけ。

1月6日
17

ポールの会話(初期に作った曲について)

・ポールと監督のマイケル・リンゼイ・ホッグとの会話。

18

One After 909

・9日の3つの演奏を組み合わせて1曲にしたもの。

1月9日
19

ポール「デーン、デデデデデデデ…」

・この日一番にスタジオに来ていたポールと監督のマイケル・リンゼイ・ホッグとの会話から。

1月14日
20

ポールとリンゴのピアノ連弾

・19のあと、ポールが次にやって来たリンゴとふざけて共演。
・ジョージが脱退宣言してセッションに来なくなったために、トゥイッケナムでのセッションを中止したのがこの日。
・この曲はアップルによって「Jazz Piano Song」というタイトルで著作権登録されている。

21

Two Of Us(ポールの「マイクに寄って」で止める)

・30秒ほどの断片。

1月9日
22

ポールとジョージの口論

・「Two Of Us」のまとめ方について意見の食い違う2人。言い合いの中でポールが「Hey Jude」の時のこと(ジョージがポールの希望しないギター・フレーズを弾こうとした)に触れると、ジョージは「わかったよ、何でも言う通りに弾いてやるよ」と議論を投げてしまう。
・映画で見るとかなりの衝突に見えるが、実際にはこのあとさらに2人のやり方の違いについて話が続き、普通にセッションが続いていく。
・このシーンが映画に入れられたおかげで、 「ポール対ジョージ」の構図が強烈にイメージされてしまったが、ジョンがジョージにかなり辛らつな発言をすることも多かった。
・この映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも収録されている。

1月6日
23

Across The Universe

・ジョンが「『Nothing's gonna change my mind』 をやろう」と言ってこの曲の演奏に入る。
・ここで聴けるのは7日の2つの演奏を組み合わせて1曲に編集したもの。
・映画では険悪になった雰囲気をジョンが変えようとしたように見えるが、 ジョンの発言と演奏は22とは別の日のもので(ポールの服が違う)、実際にはポールとジョージの口論に関してジョンはほとんど口を出さず、流れを変えようとして他の曲を演奏することを提案したポールに、もっと「Two Of Us」を続けることを主張している。

1月7日
24

Dig A Pony/ジョン「もっと速い曲をやろう」

・セッション4日目。始終撮影されている環境でスムーズに進まないセッションを続ける中、メンバーに疲労の色が見えてくる(ポールの顔に注目)。

25

Suzy's Parlor

・ジョンの作った曲。この曲はアップルによって「Suzy Parker」(当時有名だったファッション・モデルの名前)というタイトルで著作権登録されているが、ジョン自身は「Suzy's Parlor」と呼んで(歌って)いる。

1月9日
26 ジョージがリンゴに「I Me Mine」を披露 1月8日
27

I Me Mine

・ジョンとヨーコが踊る映像と演奏は同じ日の別の「I Me Mine」演奏時のものを合わせている。

 アップル・スタジオ編(1月20日〜31日、約35分)
28

For You Blue

・25日の3つの演奏をつないで1曲にしたもの。ただし、4人がアップルにやって来る映像は1月20日のものだと思われる。
・3つの演奏の内訳は、4人がアップルにやって来る映像に合わせて流れる間奏部分/歌が始まってから再度の間奏部分まで/再び歌が始まってから終りまで、の3つ。
・この映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも途中まで収録されている。

1月20日
1月25日
29

ジョン「“I Dig A Pigmy” by Charles Hawtrey and the Deaf Aids. Phase One, in which Doris gets her oats.」

・「チャールズ・ホートリーとデフ・エイドによる 『I Dig A Pigmy』 です。場面1で、ドリスは麦を手に入れる。」
 “ Deaf Aids ” は補聴器(=聴覚障害の補助)の意味だが、ビートルズはスタジオにあるアンプのことをこう呼んでいた。
 “ get one's oats ” には俗語で「性交をする」「絶頂を迎える」という意味もある。
・この発言はアルバム 『レット・イット・ビー』 にも収録されている(アルバムの冒頭)。

1月21日
30

ポールのマハリシの話

・インド滞在中の思い出話をするポール。
・この時撮影された映像はポールとリンゴが映っているものしか無かったらしく、ジョンとジョージの映像は21日に撮られた映像を差し込んである。

1月25日
31

Besame Mucho

・屋上ライブを翌日に控え、新曲はほぼ形になっていたからか、和やかな雰囲気の演奏。

1月29日
32

Octopus's Garden

・リンゴの作曲に手を貸してやるジョージ。あとからやって来たジョンがドラムで参加する。
・最後にポールが来て、このセッションでの録音からグリン・ジョンズが作って前日にメンバーに渡したアセテート盤の話を始める。ポール、ジョージ、リンゴともひどい出来だという意見で一致する(ジョンは聴いてもいない)。

1月26日
33

ヘザーの訪問

・32の演奏中に義理の娘へザーを連れたポールが到着。ヘザーはこの日ずっといたので、この日の演奏を収録した部分(40まで)にちょこちょこ登場する。

34 ジョンの即興「イザドラ・ダンカン…」
35

You've Really Got A Hold On Me

・大好きなスモーキー・ロビンソンの曲ということもあってか、ジョージが積極的にリード・ボーカルを取っている。

36

The Long And Winding Road(ボサノヴァ調)

・ポールがこの曲の演奏を促し、まともに演奏しようとするが、すぐに中断してしまう。

37

Shake, Rattle And Roll

・この演奏は短く編集されてアルバム 『アンソロジー3』 に収録された。

38

Kansas City〜Lawdy Miss Clawdy

・イメージの似た曲をだらだらと演奏していく中で自然発生的に出てきたメドレーで、演奏はかなりいいかげん。

39

Dig It

・この演奏は短く編集されてアルバム 『レット・イット・ビー』 に収録された。

40

ジョン「That was “Can You Dig It?” by Georgie Wood.」

・「ジョージー・ウッドの 『Can You Dig It?』 で した。」
・この発言はアルバム 『レット・イット・ビー』 にも収録されている(Dig Itのあと)。
・この音声は24日に録られたものだが、映画では26日の映像に音声のみ被せられている。

1月24日
(音声)
41

会話(ジョンを説得するポール)

・熱っぽく語るポールとあんまり聞いてないようなジョンの姿が対照的だが、そういう箇所だけ取り出されているだけで、実際にはちゃんとジョンも会話している。

1月29日
42

Two Of Us

・ここから3曲は屋上ライブの翌日に行われたレコーディングから。
・この演奏はアルバム 『レット・イット・ビー』 と 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されたものと同じだが、一旦ブレイクしてから始まるエンディング部分のみ映画では同じ日の別のテイクの演奏につなげている

1月31日
43

Let It Be

・この演奏はシングルやアルバム 『レット・イット・ビー』 に収録されたものとは別テイク(録音は同じ日)の演奏を編集したもの。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3に音のみ収録。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのはアルバム 『レット・イット・ビー』 に収録された同曲の音と部分的に組み合わされて編集されたもの。
・この映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも収録されている。
・この曲の、そしてこのテイクの録音をもって約1ヶ月のセッションは幕を閉じた。

44

The Long And Winding Road

・この演奏はアルバム 『レット・イット・ビー』 に収録されたものとは別の日の演奏(アルバム 『レット・イット・ビー』 のものは1月26日の演奏)。
・この演奏はアルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 と50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2に収録された。
・この映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも収録されている。

 アップル屋上ライブ / ルーフ・トップ・セッション(1月30日、約24分)
45 準備 1月30日
46

Get Back #1

・まずウォーミング・アップとして演奏された「Get Back」のあとに本番として再度演奏されたもの(回数としては2回目ということになる)。
・この映像は最後に演奏された方の「Get Back」の
映像等と組み合わせた上でDVD 『アンソロジー』 パート8にも収録されている(音声はすべて#1のもの)。
・マーク・ルーイソンは著書 『ビートルズ・レコーディング・セッション』 の中で、映画 『レット・イット・ビー』 に収録されているのはウォーミング・アップと#1を編集したものだと書いているが、正確に言うと、演奏(ジョンのカウントを含む)の前の話し声やギターの音がウォーミング・アップの時のもので、演奏自体は#1の演奏がそのまま使われている。

47

Don't Let Me Down

・屋上ライブで2回演奏した内の1回目で、ジョンが2番の歌詞を間違える。
・この映像は映像版 『アンソロジー』 パート8にも途中まで収録されている。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2に音のみ収録。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのはアップル屋上で演奏された2回のテイクを組み合わせてリミックスした、「ジョンが歌詞を間違えない」バージョン。

48

I've Got A Feeling (街頭インタビュー含む)

・屋上ライブで2回演奏した内の1回目で、この演奏はアルバム 『レット・イット・ビー』 に収録された。
アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのは、1回目と2回目の演奏を部分的に組み合わせてリミックスしたもの。

49

One After 909

・この演奏はアルバム 『レット・イット・ビー』、『レット・イット・ビー…ネイキッド』、50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)に収録された。
・演奏後にジョンが「Danny Boy」(またのタイトルを「Londonderry Air」というアイルランドの伝承歌)を適当な歌詞で歌う。

50

Dig A Pony

・頭と終りにレコードでは聴けない「All I Want Is You」のフレーズが入っている。
・この演奏は「All I Want Is You」の部分をカットしてアルバム 『レット・イット・ビー』 と 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録された。

51

Get Back #2

・屋上ライブでの最後の演奏(回数としては3回目ということになる)。途中でジョンとジョージのギターのアンプの電源が切れるがすぐに復帰(警官の中止要請を受けたマル・エヴァンスがアンプの電源を切ったが、 すぐにジョージが入れ直したと言われている)し、この事態をからかったポールのアドリブの歌詞が歌われ、最後まで演奏された。
・この演奏はアルバム 『アンソロジー3』 に収録された。

52

ポール「Thanks, Mo.」
ジョン「I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.」

・ポール「ありがと、モー(リンゴの妻モーリーンの愛称)。」
 ジョン「グループを代表して感謝の意を表します。オーディションに受かるといいな。」
・この発言はアルバム 『レット・イット・ビー』 にも収録された(アルバムの最後)

53

エンド・クレジット

・BGMとして、28日の「Get Back」の演奏(ポールのアドリブ・ボーカル部分)が使用されている

1月28日
(音声)

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アルバム 『レット・イット・ビー』 分析

フィル・スペクターがプロデュースして1970年に発売された、
ビートルズ最後のオリジナル・アルバム。
『ネイキッド』 や 『アンソロジー3』 収録のバージョンについても触れておきました。

 アルバムA面
 1-1

ジョン「“I Dig A Pigmy” by Charles Hawtrey and the Deaf Aids. Phase one, in which Doris gets her oats.」

・「チャールズ・ホートリーとデフ・エイドによる 『I Dig A Pigmy』 です。場面1で、ドリスは麦を手に入れる。」
 “Deaf Aids” は補聴器(=聴覚障害の補助)の意味だが、ビートルズはスタジオにあるアンプのことをこう呼んでいた。
 “get one's oats” には俗語で「性交をする」「絶頂を迎える」という意味もある。
・この発言は映画 『レット・イット・ビー』 にも収録されている(「For You Blue」のあと)。

1月21日
 1-2

Two Of Us

・このテイクは映画 『レット・イット・ビー』 の後半で見られるものと同じだが、一旦ブレイクしてから始まるエンディング部分のみ映画では同じ日の別のテイクの演奏につなげている。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 収録のものは基本的にはアルバム 『レット・イット・ビー』 と同じ(ただしいろいろ細かい編集はされている)。
・アルバム 『アンソロジー3』、50周年盤 『レット・イット・ビー』 のディスク2と4(アルバム 『ゲット・バック』)には1月24日の演奏が収録されているが、3つともテイクが違う。

1月31日
 2

Dig A Pony

・アップル屋上ライブの演奏から、頭と終りの「All I Want Is You」のフレーズをカットしたもので、映画 『レット・イット・ビー』 ではカットされる前の状態で聴ける。
・曲が終った後にジョンが「サンキュー、ブラザーズ…手がかじかんでコードがうまく押さえられない」と言っている。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 には「All I Want Is You」と演奏前後の会話もカットして収録。
・アルバム 『アンソロジー3』 に収録のものは1月22日の演奏(「All I Want Is You」はカットされていない)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)に収録のものは1月22日の別のテイクで、ディスク2に収録のものは1月28日のテイク14(どちらも「All I Want Is You」はカットされていない)。

1月30日
 3

Across The Universe

・1968年2月4日に録音されたテイクにコーラスやストリングスなどをダビングしたもので、ゲット・バック・セッションの演奏ではない。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのは、フィル・スペクターが手を入れる前の音源を少しリミックスしたもの

・1968年当時の完成バージョンは冒頭に鳥の鳴き声などが入ったもので、1969年12月にチャリティ・アルバムに収録されて発表された。現在ではアルバム 『パスト・マスターズ』 で聴ける。
・これら3つのバージョンはすべて同一のテイク(テイク7)から作られている。
・アルバム 『アンソロジー2』 に収録されているのはこれより前のテイク2。
・映画 『レット・イット・ビー』 にこの曲を演奏するシーンが使われることになったが、ゲット・バック・セッションでは正式に録音されなかったため、過去に録音したものを引っ張り出してきてアルバムに収録した。

1968年
2月4日
 4

I Me Mine

・1970年1月3日に録音されたもので、ゲット・バック・セッションの演奏ではない。
・映画 『レット・イット・ビー』 にこの曲を演奏するシーンが使われることになったが、ゲット・バック・セッションでは正式に録音されなかったため、翌年になって録音されることになった。
・録音されたテイクは1分34秒しかなかったが(そのオリジナル・バージョンはアルバム 『アンソロジー3』 に収録)、フィル・スペクターによって水増しされて(2つのパートがテープ編集で2回繰り返される)2分25秒の長さになった。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク5にもオリジナル・バージョンが収録されているが、こちらはグリン・ジョンズの改訂版アルバム 『ゲット・バック』 に収録用の別ミックス。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのは、アルバム 『レット・イット・ビー』 収録の「水増し」バージョンからコーラスやストリングスを取り去ったもの…のように聴こえるが、実際はこのために新たに作成したバージョン(2回目の「I, I, Me, Me, Mine」の前がアルバム 『レット・イット・ビー』 版は「All Through The Day」なのに対し 『ネイキッド』 版は「All Through Your Life」になっている
)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2には同じ日の別テイク(テイク11)を収録。
・ジョンは休暇で不在だったが、この日の「I Me Mine」と翌日に行われた「Let It Be」(ダビング・パートのみ)の録音がビートルズのバンドとしての最後のレコーディングになった。

1970年
1月3日
 5-1

Dig It

・映画 『レット・イット・ビー』 に収録されたものと同じ演奏だが、その一部を抜粋して収録している。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)にはもう少し前の部分から収録されている。

1月26日
 5-2

ジョン「That was “Can You Dig It?” by Georgie Wood, and now we'd like to do “Hark, The Angels Come”.」

・「ジョージー・ウッドの 『Can You Dig It?』 でした。次は 『Hark, The Angels Come』 をやりたいと思います。」
・この発言は映画 『レット・イット・ビー』 にも収録されている(Dig Itのあと)。

1月24日
 6

Let It Be

・この演奏は映画 『レット・イット・ビー』 に収録されたものと同じ日に録られた別テイクの演奏。リード・ギターは1970年1月4日に録音されたもの。
・シングルとして発売されたジョージ・マーティン・プロデュース版もこれと同じテイクだが、 アルバムに収録のものより短く、リード・ギターは1969年4月30日に録音されたものを使っているなど、シングル用にリミックスされている(アルバム 『パスト・マスターズ』 に収録)。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのは映画 『レット・イット・ビー』 収録のテイクを基本に、このアルバム・テイクの音も混ぜてリミックスしたもの。
・アルバム 『アンソロジー3』 に収録されているのは1月25日の演奏(前後の会話は1月31日のもの)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2には1月25日のテイク10、ディスク3には映画 『レット・イット・ビー』 と同じ1月31日のテイク28、ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)にはアルバム 『レット・イット・ビー』 やシングルと同じテイク(ただし間奏のギターの差し替え以外のオーバーダビングがない)を収録。

1月31日
 7

Maggie Mae

・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)にも同じテイクを収録。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 のボーナス・ディスク 『フライ・オン・ザ・ウォール』 と50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2に同じ日の別の演奏を収録。

1月24日
 アルバムB面
 8

I've Got A Feeling

・アップル屋上ライブで2回演奏した内の1回目の演奏で、映画 『レット・イット・ビー』 の屋上ライブのものと同じ。
・演奏後にジョンが鼻歌で「Oh, My soul …」と歌い、「So hard.」と言っている(寒くて演奏がしにくい、の意味か)。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのはアップル屋上で演奏された2回のテイクを組み合わせてリミックスしたもの。
・アルバム 『アンソロジー3』 と50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)に収録のものは1月22日の演奏(CDの解説書では23日)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2には1月27日のテイク10を収録。

1月30日
 9

One After 909

・アップル屋上ライブの演奏で、映画 『レット・イット・ビー』 の屋上ライブのものと同じ。
・演奏後にジョンが「Danny Boy」(またのタイトルを「Londonderry Air」というアイルランドの伝承歌)を適当な歌詞で歌う。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 と50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)に収録されているのもこれと同じ演奏。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2には1月29日のテイク3を収録。

1月30日
10

The Long And Winding Road

・この演奏は映画 『レット・イット・ビー』 に収録されたものとは別の日の演奏(映画 『レット・イット・ビー』 のものは1月31日の演奏)で、フィル・スペクターによるオーケストラを取り去ったオリジナル・バージョンがアルバム 『アンソロジー3』 に収録されている。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)にもオリジナル・バージョンが収録されているが別ミックス。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのは基本的に映画 『レット・イット・ビー』 収録のものと同じテイクで、1月31日の演奏(ただしいろいろ細かい編集はされている)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2に収録のテイク19も映画 『レット・イット・ビー』 と同じテイク。

1月26日
11-1

ジョン「Queen says “No” to pot-smoking FBI members.」

・「女王陛下は麻薬をやっているFBIのメンバーに 『No』 と言ってる。」
・この発言は映画 『レット・イット・ビー』 にも収録されている(Oh! Darlingの前)。
・これは「Queen says she knows pot-smoking FBI members.(女王陛下は麻薬をやっているFBIのメンバーを知っていると言ってる)」のようにも聴こえる。

1月8日
11-2

For You Blue

・この演奏は映画 『レット・イット・ビー』 に収録されたものと同じ日の演奏だが別テイク。
・ジョージのボーカルはこのテイクが録音された時のものではなく、約1年後の1970年1月8日に録り直したもの。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されたものは、基本的にはこれと同じテイク(ただしいろいろ細かい編集はされている)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)に収録されたものもこれと同じテイクだが、日本盤の初回生産分に収録された「1969年ミックス」は録音時のオリジナルで、輸入盤と日本盤のセカンド・プレスに収録された「1970年ミックス」は一部のボーカルを1月8日の追加録音に差し替えたもの。
・アルバム 『アンソロジー3』、50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2にもそれぞれ同じ日の別のテイクが収録されているが、アルバムおよび映画 『レット・イット・ビー』 のどちらとも違う。

1月25日
12-1

Get Back の演奏前の会話

・冒頭の会話は次に出てくる「Get Back」のスタジオ・テイクの前に本当に交わされたものだが、アップル屋上ライブの時の試し弾きの音なども加え、ライブっぽい雰囲気を演出してある。
・まず、ポールの「Rosetta(ロゼッタ)」という一言が聴こえる(余談だが
ポールは1969年に発売されたザ・フォーモストの同名タイトルのシングルをプロデュースしている)。
次に出てくるジョンの替え歌は以下の通り
 元歌「Sweet Loretta Martin thought she was a woman, but she was another man.」
 (かわいいロレッタ・マーティンは自分を女と思っていたが、実は男だった)
 ジョン「Sweet Loretta Fart, she thought she was a cleaner, but she was a frying pan.」
 (かわいいロレッタ・ファート[ =おなら ] は自分を掃除機だと思っていたが、実はフライパンだった)
替え歌のあとのジョンの発言は「The Picker. …Picture the fingers, ○○○
」というように聴こえるが、よく意味がわからない。
・このあとにカブってくるギターの音だけは1月30日のアップル屋上ライブでの録音(「One After 909」を演奏したあとで弾かれたもの)を挿入してある。

1月27日
  +
1月30日
12-2

Get Back

・この演奏はアップル屋上ライブの演奏ではなく、1月27日にスタジオで録られたもの。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 には、前後の会話をカットして演奏の部分だけが収録されている(ただしいろいろ細かい編集はされている)。
・シングルとして発売されたジョージ・マーティン(実際はグリン・ジョンズ)・プロデュース版もこれと同じテイクだが、冒頭の会話はなく、ブレイクした後に1月28日の演奏を付け加えて、シングル用にリミックスされている(アルバム 『パスト・マスターズ』 に収録)。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)収録のものはシングル・バージョンと同じ。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3には1月27日の別テイク(テイク8)を収録。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2にはシングル・バージョンの後半の元テイク(1月28日のテイク19)を収録。
・アルバム 『アンソロジー3』 に収録されているのは、1月30日の屋上ライブで最後(3回目)に演奏されたもの。

1月27日
12-3

ポール「Thanks, Mo.」
ジョン「I'd like to say thank you on behalf of the group and ourselves, I hope we passed the audition.」

・ポール「ありがと、モー(リンゴの妻モーリーンの愛称)。」
 ジョン「グループを代表して感謝の意を表します。オーディションに受かるといいな。」
・この歓声と会話はアップル屋上ライブの最後の演奏曲「Get Back」が終了した時のもの。
・このジョンの発言は映画 『レット・イット・ビー』 にも収録された(映画の終り)。

1月30日
 シングルで発表 (アルバム 『レット・イット・ビー』 に収録されていないためここに付記しておく)

 

Don't Let Me Down

・ジョージ・マーティンのプロデュースでシングル 『Get Back』 のB面に収録された公式バージョン(アルバム 『パスト・マスターズ』 に収録)はアップル・スタジオでの1月28日の録音。
・映画 『レット・イット・ビー』 で見られるスタジオでの演奏は1月6日のもので、アップル屋上ライブの方は1月30日の演奏(計2回演奏された内の1回目)。
・アルバム 『レット・イット・ビー…ネイキッド』 に収録されているのはアップル屋上で演奏された2回のテイクを組み合わせてリミックスした、「ジョンが歌詞を間違えない」バージョン。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 のディスク4(アルバム 『ゲット・バック』)には1月22日の録音、ディスク2にはアップル屋上で演奏された1回目のテイクを収録。

1月28日

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映画 『レット・イット・ビー』 分析へ

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『レット・イット・ビー…ネイキッド』 付録ディスク
『フライ・オン・ザ・ウォール』 分析

ゲット・バック・セッションで録音された音声を22分に編集したもの。
トラック・ナンバーとCDタイムは便宜上筆者がふったもので、
実際の商品では全部で1トラックになっています。
日本盤の解説書には全ての会話の翻訳が掲載されています。

 1 CDタイム

0:00〜

会話:ジョン、ジョージ、リンゴ

・ジョンとジョージがあとから来たリンゴと新年の挨拶を交わす。
・2日の、そしてゲット・バック・セッションの開始時のひとコマ。
・ただし、実際に交わされた会話をコマ切れにして順序を変えるなどの編集が施されている。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3に収録の「On The Day Shift Now」でも新年の挨拶の部分が聴ける。

1月2日
 2 0:13〜

Sun King / Don't Let Me Down

・2日のセッションの開始時にジョンがギターを弾きながら歌ったもの。

1月2日
 3 1:06〜

会話:ジョージとポール

・今回のテレビ番組の企画について、自分の考えをジョージに説明するポール。
・短く編集されている。

1月3日
 4 1:31〜

One After 909 / 会話:ポールとジョン

・演奏後のポールの発言「It's great. One After 909.」まで。

1月3日
 5 2:04〜

会話:ジョン、ポール、ジョージ

・ポール「I never sort of knew what it was about before.」からジョン「Couldn't do all the things, you know.」まで。
・4の続きではなく、数分後に「One After 909」を再度演奏したあとの会話。
・自分たちで「One After 909」の歌詞を口に出し、歌の内容を再確認しようとしている。

1月3日
 6 2:40〜

Bacause I Know You Love Me So

・実際には4のあとにはこの演奏(古いレノン/マッカートニーの未発表曲)が続いている。5の会話は編集で挟み込んだもの。

1月3日
 7 4:15〜

会話:ジョージ、ポール、リンゴ / Don't Pass Me By / 会話:ジョージ、ポール、リンゴ / Taking A Trip To Carolina

・編集されてはいるが、数分の間に交わされた会話の流れの通りに収録されている。
・リンゴが作曲した曲についての会話。

1月3日
 8 5:54〜

John's Piano Piece

・8日のセッションの開始前にジョンがピアノで弾いた曲を編集したもの。
・ちょっと「Imagine」のような雰囲気の曲。

1月8日
 9 6:15〜

会話:ポール

・海外でのライブの話を持ち出したマイケル・リンゼイ・ホッグ監督に、ポールが「リンゴがイヤだと言っているから海外には行かない」と言ったもの。

1月2日
10 6:30〜

Child Of Nature

・のちにジョンのソロ 『Imagine』 に収録される「Jealous Guy」の原曲。

1月2日
11 6:55〜

Back In The U.S.S.R. / 会話:ジョージ、ポール、ジョン(ポール「Don't know.」まで) / 会話:ジョージ(「Be nice to…」から)とジョン / Every Little Thing

・編集されてはいるが、数分の間に交わされた会話の流れの通りに収録されている。
・ただし、会話の部分はポールの「Don't know」とジョージの「Be nice to…」の間が30秒ほどカットされている。
・今回やろうとしているライブで昔の曲をやるかどうかを話している。

1月3日
12 7:32〜

Don't Let Me Down / その後の会話

・セッションの初日、この曲のリハーサルを始めたころの演奏。
・演奏後の会話部分まで。

1月2日
13 8:01〜

Don't Let Me Down

・演奏を再開した部分からは6日の演奏になる。
・この部分で聴けるように、初期段階では「I'm in love for the first time…」の部分に対応するコーラスをつける試みがなされていた。
・途中をカットして短く編集してある。

1月6日
14 8:34〜

会話:ポール、ジョン、ジョージ

・ポール「Yeah,(ジョンの発言をはさんで) we should, we should…」からジョージ「There's nobody better to get it out with than us.」まで。
・ここでの会話のように、ポールが他のメンバーに対してこの企画に積極的に取り組むよう説得する場面はセッションのあちこちで見られる。

1月3日
15 9:18〜

All Things Must Pass

・3日に演奏された3つの部分をつなげている。

1月3日
16 9:42〜

会話:ジョージ

・「(フェイド・イン)The idea of doing it,…」から始まるジョージの発言。
・「All Things Must Pass」のリハーサル中に交わされた、音作りに関しての会話から。

1月3日
17 10:04〜

会話:ポールと即興の曲で答えるジョン

・ポール「Now John would like to say…」から。
・ジョンの意見を聞いたポールに即興の歌(「♪サウンドに集中すべきだ〜♪」みたいな内容)で答えるジョン。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3に収録の「Concentrate On The Sound」でも同じ部分が聴ける。

1月6日
18 10:29〜

会話:リンゴ、ジョージ、ポール / ジョージの鼻歌(She Came In Through The Bathroom Window) / ベースの音 / 会話:ジョージ

・リンゴ「(フェイド・イン)He just comes round and tells you about a football team.」からジョージの鼻歌をはさんでベースの即興がフェイド・アウトするまで
・編集されてはいるが、数分の間に交わされた会話の流れの通りに収録されている。
・雑談を部分的につなげたもので、サッカーの話題や、ジョージの「またそのベースを弾いてるね」などの発言が聴けるが、これだけでは意味不明。

1月7日
19 11:32〜

会話:ジョン、ジョージ、ポール

・ジョン「It was what can we do if we can't think of any sort of gimmick.」からポール「…and you know I think we either go home or we do it.」まで。
・7日のセッション開始前にメンバー間で行われた議論(ショーについて)からの抜粋。
・ポールはブライアン・エプスタインの死後、自分たちがネガティブになっていることを指摘し、ライブについてもっとポジティブに考えてみようと他のメンバーを説得している。

1月7日
20 13:00〜

Paul's Piano Piece

・3日のセッション前にポールが弾いたピアノ曲(映画 『レット・イット・ビー』 の冒頭でも聴ける)を編集したもの

1月3日
21 14:02〜

会話:4人

・ポール「Then there's that thing you know」からジョージ「It's very expensive.」まで。
・観客と一緒に船に乗って海外へ行き、ライブを行うという案を話し合っている。
・ポールとジョンは乗り気、リンゴはどちらでもなし、ジョージは「正気じゃない」と完全拒否。

1月8日
22 15:52〜

会話:ジョン

・「Good afternoon」から始まるジョンの一言。
・「ビートルズのリハーサル・ルームにようこそ」とふざけて言ったもの。
・最後の笑い声は別のところから持ってきて付け加えている。

1月9日
23 15:59〜

Get Back(イントロ) / 会話:ジョン

・この日の「Get Back」の演奏を編集したもので、3つの部分をつなげている。

1月10日
24 16:28〜

会話:ポール、ジョン、リンゴ

・ポール「And still the boom wasn't over there」からジョン「Shall we go and play in our group then?」まで。
・「シバの女王はパットをつけていた」とか、あまり意味のない雑談。
・トゥイッケナム・スタジオでの最終日、ジョージが来ないので、演奏もせずにだらだらと冗談や雑談にふけっていた時の会話から。
・相当細かい編集が施されていて、例えばジョンの「Didn't you know that? You weren't there at the time. Bognor Regis is a tartan that covers Yorkshire. Alexander the Great was a big head, four or five place.」という発言は、実際にこのように発言されたものではなく、14日のジョンの発言から、3つの部分(すべて発言した時間が違う)を抜き出してくっつけたもので、悪く言えば捏造。

1月14日
25 17:04〜

Two Of Us / Maggie Mae / Fancy My Chances With You

・「Maggie Mae」が短く編集されてはいるが、数分の間に行われた演奏の流れの通りに収録されている。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク2に収録の「Maggie Mae / Fancy My Chances With You」でも同じ部分が聴ける。

1月24日
26 18:23〜

会話:ポール

・「It's almost in a way…」から始まるポールの発言。
・これは19の時に行われた一連の議論の中で、ポールが「立ち入り禁止の場所に入ってライブをやって警察に連行される」というアイデアを出した時のもの。 これに限りなく似た状況がアップル屋上のライブで実現することになったが、最初からそれを狙っていたのだろう。

1月7日
27 18:40〜

Can You Dig It? / 会話:ジョン

・演奏後のジョンの発言「That was “Can You Dig It” by…」までそのまま収録。

1月24日
28 19:28〜

会話:リンゴ

・スタジオにやって来たリンゴの挨拶。「Morning, morning, everybody.…」。
・50周年盤 『レット・イット・ビー』 ディスク3に収録の「Morning Camera」でも同じ部分が聴ける。

1月22日
29 19:36〜

Get Back

・ジョンのスティール・ギターとポールの鼻歌

1月24日
30 20:10〜

会話:ジョン、ポール、ジョージ

・ジョン「I mean you see what happens on there,…」から「And it's just that really.」まで。
・25日のリハーサル中に行われた議論からの抜粋。
・既にライブ・ショーの案は破棄され、映画の案のみが残ることになったが、まだライブをあきらめきれないポール。 ジョンとジョージが「これでいいじゃないか」と説得する。

1月25日
31 21:28〜

会話:ポール

・13日のセッション終了後、ふざけてスタッフに謝辞を述べ、ジョンを追って出て行くポールの発言を編集したもの。
・後ろで聴こえる音楽や足音は別の所から持ってきて編集で加えたもの。

1月13日

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セッションについて書かれた文献

『ザ・ビートルズ:Get Back』

https://m.media-amazon.com/images/I/41x5ylXxwzL._SL100_.jpg

2012年公開の映画 『ザ・ビートルズ:Get Back』 とアルバム 『Let It Be』 50周年盤に合わせて発売された公式本。

イーサン・ラッセルとリンダ・マッカートニーが撮影した写真と、映画用に撮影されたフィルムからスキャンされた写真に加え、現場で交わされた会話を書き起こしたものをセッションのすべての日ごとに掲載したもの。

といっても掲載されているのは写真と会話だけで、録音/撮影データ的なものは一切なく、会話もかなりの分量が掲載されているがあくまで抜粋であり、セッションのデータ本としては非常に物足りない出来になっている。

映画本編もそれぞれの日をダイジェストしたような内容だったので(映像は音声に比べて断片的にしか撮影されていないので仕方ないが)、セッションについて詳しく知るにはやはり以下に挙げる研究書を合わせて読む必要がある。

【目次】
まえがき ピーター・ジャクソン
序文 必要なものは ハニフ・クレイシ
登場人物
第1幕 トゥイッケナム・フィルム・スタジオ
1969年1月2日 木曜日/3日 金曜日/6日 月曜日/7日 火曜日/8日 水曜日/9日 木曜日/10日 金曜日/13日 月曜日/14日 火曜日/16日 木曜日
第2幕 アップル・スタジオ
1969年1月21日 火曜日/22日 水曜日/23日 木曜日/24日 金曜日/25日 土曜日/26日 日曜日/27日 月曜日/28日 火曜日/29日 水曜日
第3幕 屋上
1969年1月30日 木曜日/31日 金曜日
あとがき そのあとで起こったこと ジョン・ハリス



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『Drugs, Divorce, And A Slipping Image』(洋書)
   Doug Sulpy / Ray Schweighhardt 著
●雑誌 『nowhere』(プロデュース・センター出版局)の連載
   「ゲット・バック・セッションの全貌」



入手できる限りのゲット・バック・セッションの音源を時系列に並べ、全曲およびセッション中に交わされた会話の内容を解説した研究本。世界中のゲット・バック中毒者から基本資料として利用されている。

1994年に出版されたものが初版で、その後 『GET BACK:THE BEATLES' LET IT BE DISASTER』 と改題して増補改訂版が出たが、2007年末になってタイトルを戻した最新版が出た。
(日本のアマゾンには最新版はない。著者のサイト http://www.dougsulpy.com/ でPDF版が買えたが現在は行っていない模様)

初版の方の内容は、日本ではビートルズ・クラブの出版していた季刊誌 『nowhere(ノーウェア)』 のVol.8からVol.21まで13回にわたって連載され(Vol.19は休載)、日本語で読むことができる。

この連載の期間にも新しい事実が発見されたため、データとして古くなっているところはあるが、 その辺はこの連載のために日本側で付けた注釈の中で多少カバーされている。

とは言っても英語力の乏しい者には非常にありがたい連載で、特に会話の部分(おおまかに内容を紹介し、そこから伺える人間関係を著者が考察している)などは大変面白く読んだ。

最新版の日本語版の書籍化を期待したい。


【セッション日と掲載号一覧】

セッション日

『nowhere』 掲載号

1969年1月2日、3日 Vol.8(1995年冬号)
1969年1月6日 Vol.9(1996年春号)
1969年1月7日 Vol.10(1996年夏号)
1969年1月8日 Vol.11(1996年秋号)
1969年1月9日 Vol.12(1996年冬号)
1969年1月10日、13日 Vol.13(1997年春号)
1969年1月14日、15日
(1994年の時点ではトゥイッケナムでのセッションの終盤の日付が不確定だった)
Vol.14(1997年夏号)
1969年1月22日、23日
(1994年の時点ではアップルでのセッションの開始日は22日だと思われていた)
Vol.15(1997年秋号)
1969年1月24日 Vol.16(1997年冬号)
1969年1月25日 Vol.17(1998年春号)
1969年1月26日 Vol.18(1999年春号)
※ここから不定期刊行になる
1969年1月27日〜29日 Vol.20(2002年秋号)
1969年1月30日、31日 Vol.21(2003年夏号)




●『月刊 The Beatles』(ザ・ビートルズ・クラブ会報)の連載
  「真相!ゲット・バック・セッション」



日本のファンクラブ、ザ・ビートルズ・クラブの会報である月刊誌の連載。

ゲット・バック・セッションを撮影したフィルムの音声は、そのほとんどが海賊盤としてリリースされているが、 この連載ではそこで聴けるメンバーの会話を翻訳している。

2012年4月号から連載が開始され、現在も継続中。

【セッション日と掲載号】
1969年1月2日  2012年4月号〜9月号
1969年1月3日  2012年10月号〜2013年11月号
1969年1月6日  2013年12月号〜2015年1月号
1969年1月7日  2015年2月号〜2017年1月号(2016年7月号、12月号は休載)
1969年1月8日  2017年1月号〜2018年6月号(2017年7月号、2018年1月号は休載)
1969年1月9日  2018年7月号〜2020年4月号(2018年12月号、20019年9月号、
11月号は休載)
1969年1月10日  2020年4月号〜2022年11月号
1969年1月13日  2022年11月号〜2024年1月号
1969年1月14日  2024年1月号〜




●『月刊 The Beatles』(ザ・ビートルズ・クラブ会報)の連載
  「未発表音源調査隊」

    尾畑清貴 著


日本のファンクラブ、ザ・ビートルズ・クラブの会報である月刊誌の連載「未発表音源調査隊」の第30回〜51回でゲット・バック・セッションについてまとめられたもの。

著者は上記 『nowhere(ノーウェア)』 の連載で注釈を担当していた人物。

7回に渡る概論では、セッションの計画〜実行、セッション中の人間関係、撮影・録音方法、セッション終了後の素材編集と商品化などについて、この時点での最新の情報を盛り込んだ考察が行われている。

連載の残りを占めるセッション日ごとの内容の部分は、基本的には上記 『nowhere(ノーウェア)』 の連載「ゲット・バック・セッションの全貌」の要約であるが、やはりその後新たに出回るようになった音源などからの情報を盛り込み、誤りも訂正されている。

ただし1月23日の演奏について書かれた2004年6月号掲載の回で連載が中断しており、完結していない。


【セッション日と掲載号一覧】

セッション日

掲載号

セッション日

掲載号

概論1 2001年2月号 1969年1月8日 2002年4月号
概論2 2001年3月号 1969年1月9日 2002年7月号
概論3 2001年4月号 1969年1月10日 2002年9月号
概論4 2001年5月号 1969年1月13日 2002年12月号
概論5 2001年7月号 1969年1月14日 2003年3月号
概論6 2001年8月号 1969年1月21日 2003年5月号
概論7 2001年9月号 1969年1月21日 2003年7月号
1969年1月2日。。。 2001年11月号 1969年1月21〜22日 2003年12月号
1969年1月3日 2001年12月号 1969年1月22日 2004年2月号
1969年1月6日 2002年1月号 1969年1月22日 2004年4月号
1969年1月7日 2002年3月号 1969年1月22〜23日 2004年6月号




●雑誌 『GOLD WAX』(バロック出版)の連載 「『Day By Day』検証」
   野良 著


Yellow Dog レーベルから出た海賊盤 『Day By Day』 シリーズをレビューしたもの。

『GOLD WAX』 は海賊盤のレビューや音源研究をメインにした月刊誌で、『Day By Day』 シリーズの発売に合わせてディスクを1枚ずつ検証する連載が掲載されていた。

このシリーズは映画の撮影用カメラと連動して録られた音声を編集なしでまるごと収録するもので、2枚組で1巻になっており、 最終的にはVol.38(全76枚)まで出た。

連載は音声ロールごとにどんな演奏が収録されているのかが淡々とつづられており、会話の内容などにも簡単に触れている。
『Day By Day』 自体がセッションの開始から終了まで入手できる音源をすべて並べたものなので、この連載も「ゲット・バック・セッションの詳細な記録」という性格を帯びるものとなった。

B5の紙面に細かい文字がギッシリ詰まったこの連載、読む方もそうだが、書く方も根気が必要だったと思う。

1月25日の演奏を収録したVol.26の回までで著者が連載を終らせてしまい、その後2003年3月号をもって 『GOLD WAX』 誌が廃刊になったため、完結していない。


【セッション日と掲載号一覧】

セッション日

『Day By Day』巻数

掲載号

1969年1月2〜3日 Vol.1〜3 66号(2000年11月号)
1969年1月3〜6日 Vol.4〜6 68号(2001年1月号)
1969年1月7〜8日 Vol.7〜9 70号(2001年3月号)
1969年1月8〜9日 Vol.10〜12 72号(2001年5月号)
1969年1月9〜10日 Vol.13 73号(2001年6月号)
1969年1月10〜13日 Vol.14〜15 74号(2001年7月号)
1969年1月13〜14日 Vol.16 75号(2001年8月号)
1969年1月14日、21日 Vol.17〜18 76号(2001年9月号)
1969年1月21〜22日 Vol.19 78号(2001年11月号)
1969年1月22〜23日 Vol.20〜21 79号(2001年12月号)
1969年1月23〜24日 Vol.22 83号(2002年4月号)
1969年1月24日 Vol.23 84号(2002月5月号)
1969年1月24日 Vol.24 85号(2002年6月号)
1969年1月25日 Vol.25 87号(2002年8月号)
1969年1月25日 Vol.26 90号(2002年11月号)




『ゲット・バック・ネイキッド / 1969年、ビートルズが揺れた22日間』
   藤本国彦 著

https://m.media-amazon.com/images/I/51kmbW6+2lL._SL100_.jpg

ゲット・バック・セッションの研究本で、海賊盤として流通している音源の4人の会話から、重要な部分を聴き取りで翻訳し、1日ごとに解説を加えたもの。2020年刊。384ページ。

もともと2017年に 『GET BACK...NAKED / 1969年、ビートルズが揺れた21日間』 のタイトルで別の出版社から出たものの増補新版で、セッションの概論的なものに終わっていた旧版とは全く違う内容になっている。

【目次】
主な登場人物
Prologue (『Sgt. Peppers』 からゲット・バック・セッション開始までのビートルズ)
Chapter 1 : Day by Day January 2-.31, 1969
1969年1月2日〜1月15日 Rehearsal Sessions @ Twickenham Studio
1.2 ゲット・バック・セッション初日 / 1.3 ポールが初めて「Let It Be」を披露した日 / 1.6 ポールとジョージが口論した日 / 1.7 解散に向かっているとジョージが言った日 / 1.8 船上ショーの案が(懲りずに)浮上した日 / 1.9 まとまりのある演奏が増えた日 / 1.10 ジョージがビートルズを脱退した日 / 1.13 解散を辛うじて免れた日 / 1.14 ジョージ不在のセッション日 / 1.15 トゥイッケナム・スタジオでの最終日 
1969年1月20日〜1月31日 Rehearsal Sessions @ Apple Studio
1.20 マジックを使えなかったアレックス / 1.21 アップル・スタジオでの初日 / 1.22 ビリー・プレストンが参加した最初の日 / 1.23 ジョンとポールとヨーコの“二度目の共演”日 / 1.24 ジョンが珍しくやる気を見せた日 / 1.25 プレイバックに時間を割いた日 / 1.26 “休日返上”のセッション日 / 1.27 「Get Back」が完成した日 / 1.28 アラン・クラインが初めてスタジオを訪れた日 / 1.29 アップル屋上ライヴのリハーサル日 / 1.30 ビートルズの“ラスト・ライヴ” / 1.31 ゲット・バック・セッション最終日 
Chapter 2 : Carry That Weight (未発表アルバム 『Get Back』、映画公開、ビートルズ解散まで)
リチャード・ヒューソン・インタビュー 
Chapter 3 : The Long And Winding Road (『Let It Be... Nakid』 から再編集映画に関する最新の動向まで)
Epilogue (旧版あとがき+増補新版のためのあとがき)
Get Back Sessions List
索引/参考文献





『ルーフトップ・コンサートのビートルズ』
   トニー・バレル 著

https://m.media-amazon.com/images/I/515XzwkDDML._SL100_.jpg

セッションの終りに行われたアップルビル屋上でのライブについて調査した本。2019年(原書は2018年)刊。232ページ。

第1章は当時のビートルズと音楽界の状況と世界情勢、第2章はセッション前半のトゥイッケナム・スタジオでライブの案が二転三転する様子、第3章はセッション後半のアップル地下スタジオで屋上ライブの案が出る経緯、 第4章は屋上ライブ当日の模様がまとめられている。

第4章ではライブの準備〜実行〜終了後まで、当時その場にいたメンバー以外の関係者や一般人の
インタビューをもとに、実際の現場はどのような状況だったのかをリアルにドキュメントしている。

【目次】
序文 激動の時、そして珠玉の瞬間
謝辞
本書の主な登場人物
第1章 長い道、ロックンロールへの回帰
第2章 真冬のトゥイッケナム
第3章 アップル地下スタジオ、セッション再開
第4章 ルーフトップ、ひとつになった日
アーティスト名索引
主な参考文献


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映画 『レット・イット・ビー』 分析へ

アルバム 『レット・イット・ビー』 分析へ

『フライ・オン・ザ・ウォール』 分析へ

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